に続き、アダム徳永さん(以下アダムさん)の著書『たった3分からの大逆転 ※1』を元に、ご紹介していきます。
前回の記事で、射精のメカニズムや基本的なトレーニング方法についてご紹介しました。今回は、ある程度効果を感じられた方向けに、さらに踏む込んだトレーニング方法についての記事です。
突然ですが男性のみなさんに質問です。女性が自分の愛撫でめちゃくちゃ感じてる姿、見たくないですか?
見てみたい方は、長くなりますがこの記事を最後までしっかり読んでくださいね。
知っておきたい男女の性差
トレーニング法の説明の前に、ぜひ知っておいていただきたい男女の本質的な性差について取り上げます。
前々回の記事で、セックスするために男性に身につけてほしい3つのスキルとして
- 愛情
- スローセックス
- 早漏克服
を挙げました。
その中の「愛」について。
「愛」と言われても、男性にとっては漠然としていてよくわからなかったり、照れ臭かったりすると思いますが、アダムさんは男性の持つ本質的な性質をこのように表現されています。
男性とは本来、女性を愛することに喜びを感じる生き物なのです。
※1 p209
いきなりこう言われてもピンとこないと思うので、掘り下げていきます。
アダムさんは、2004年に「アダムスクール」というセックススクールを設立・運営されていて、(2013年に終了、現在はプライベート講習という形で、男性やカップルに指導されています)、男性単独の講習の中で、女性モデルの協力のもとアダムタッチなどの実技指導をされていました。
モデルさんたちは、アダムさんの指導を受けて性感脳を開花させた超敏感な女性ばかりで、
性感脳が完全に開いている彼女たちは、頰を撫でただけでも狂おしく官能します。肩をそっとアダムタッチするだけで、エロティックな喘ぎ声をあげ、手の甲に優しく触れただけで身をよじり、乳首にゆったりと指先を這わせただけで……。
※2 p69
男性講習者は、普段パートナーでは経験できなかった、女性が本当に官能している姿を目にすることになります。すると、どのようなことが起こるでしょう。
もう男性受講生たちは愛戯という行為に夢中になります。その日初めて出会った、愛情関係などない女性であるにもかかわらず、自分の愛戯で小刻みにカラダを震わせて官能する女性モデルさんを、本当に愛しそうにずっとアダムタッチしています。
※2 p69
本物の官能を生まれて初めて目の当たりにし、その官能美に時間も忘れて夢中になる男性。
官能する女性の美しさは、こちらの記事もご覧ください。
sexual-bookmark.hatenablog.com
男性たちは「女性は愛されることでさらにその輝きを増す」という愛の本質を目撃し、元々自分の中にあった「愛する喜び」を目覚めさせます。
男性とは本来、女性を愛することに喜びを感じる生き物なのです。男性は、「愛するために生まれてきた生命体」なのです。これが男性の本質的性質です。
※1 p209
そして、一方
女性は「愛されるために生まれてきた生命体」
※1 p209
です。
つまり
「男性は愛する性、女性は愛される性」
※1 p210
であり、これが男女の本質的な性差だと述べられています。
男性は愛する性、女性は愛される性
「女性は愛されるために生まれてきた生命体」という言葉は、以前ご紹介した「スローセックス完全マニュアル」にも登場し(※2 p76)、まさにその通りだと深く感動したのですが、では男性はどんな生命体なのか、までは考えもしていませんでした。
なのでこの言葉を見たときハッとしたんです。男性と女性は裏表だったんだと。
そして、これまでわからなかった様々なことが、つながったような気がしました。
男性が早漏に悩んで追い詰められたり、セックスのコンプレックスで男としての自信が奪われたり、ちょっとしたダメ出しでひどく落ち込んだりするのは、女性を喜ばせたい、愛したいという本能が根底にあるからなのでは…
女性が、日常生活の「ありがとう」「嬉しい」や、セックス中の「気持ちいい」といった喜びを、隠さず素直に(できればわかりやすく)表現することは、女性が考えている以上にとても大切なことなのかもしれない…
一方で、女性が男性をすごいねと持ち上げたり、サービスたっぷりに奉仕することは、男性の承認欲求を一時的に満たすかもしれないけれど、心からの満足には繋がらないのでは、とも気づかされました。
かつて、「セックスは男性を喜ばせるもの」だと思い込んでいた私。
満たされることも、相手との仲が深まる実感が持てなかったのも、この性質の使い方を間違っていのだと思います。
もしかしたら、感度のいい女性と出会いたいと考えられた男性も中にはいるかもしれません。しかし、感度のいい女性は他の男性でも官能できる可能性が高いので、 継続的な関係を築くのは難しいのではないでしょうか。
男性は、この男女の性質を知って、ぜひパートナー女性のみずみずしい感性を開いてあげてください。スローセックスはその為の手法なのです。
女性は愛おしい人の肌の温もりを感じながら大切に扱ってもらうことを望み
男性は女性が心から歓喜する姿を見たいと望んでいる…
男女の愛の性質は、コインの裏表のように対になっていたのです。
性エネルギーとセックスの関係
ではトレーニングに関する話に戻ります。
以下に気や性エネルギーといった話が登場します。結論から言ってしまうと、気功の技術を応用したトレーニングになりますが、人によっては、目に見えないものの話をされても信じられない、うさんくさいと感じられるかもしれません。どのように受け取られるかは、読まれる方の自由です。
しかし、以前ご紹介した「スローセックス完全マニュアル※2」は、女性の心と体のメカニズムを見事に解き明かしてくれていると思えるほどの内容だったので、きっとこの本も、早漏で悩んでる男性にとって、気持ちに寄り添ってくれる内容であり、実際の克服に有効な情報なのではないかと思っています。
アダムさんがたどり着いたある仮説
実はかつてたった1分しかもたず超早漏で悩み苦しまれていたというアダムさん。
早漏克服のためにさまざまなことを試されてきましたが、その中で、物理的な刺激を見ているだけでは説明がつかない出来事に注目されます。
例えば
- 「早漏防止クリーム」なるものを見つけ、亀頭に塗り込むと、確かに感覚がマヒしたが、やはりすぐ射精してしまった
- ピストン運動もしてないのに射精してしまう
- いつも交接するとすぐ局部に熱い何かが押し寄せくるが、ある女性とセックスした時はいつまでたってもこみ上げてこず、長持ちした。その女性の決定的な特徴は、いつまでも舌を絡ませてくる情熱的なキス
など。
これらの出来事と、ヨガや鍼灸などを勉強されてきたそれまでの経験が結びつき、ある仮説にたどり着かれます。
それは「熱い何か」の正体は「気」ではないか、ということ。
そして、それが局部に集まりスパークすることで射精が起こるではないかと考えられたのです。
だとすれば
スキンが鈍感になったのに射精するのも、ピストン運動もしていないのに射精するのも、カラダに溜まった気が行き場を失って暴発しているからだと考えれば、道理が合います。
※1 p56
そこから
意識的に、気を分散させることができれば、早漏は克服できるはず!
※1 p46
と考え、この仮説を検証すべく、気功を応用してトレーニングを重ねられました。
その結果、現在のように何時間でも交接を楽しみ、好きなタイミングで射精できるコントロール力を身につけられたそうです。
この「気」のうち、快感と性的興奮によって生じる気のことを、「性エネルギー」と定義され、のちにスローセックスの土台となる重要な概念となっていきます。
性エネルギーについては、こちらの記事でも書いていますね。
sexual-bookmark.hatenablog.com
性エネルギーと早漏
性エネルギーと早漏の関係について、さらに詳しくみていきます。
実は、早漏になるのも、気の巡りが滞るのが原因
だそうです。
性エネルギーは、女性の体を見たり触れたり、さまざまな刺激によってどんどん増えていきます。
増幅したエネルギーは、とにかくペニス周辺に集まろうとする性質を持っています。下腹部が熱くなるのはそのためです。射精がコントロールできないのは、気の巡りが円滑でないために、ペニス周辺に溜まった性エネルギーが、他の部分に流れることができずに一点集中してしまい、まさにコップから水がこぼれるように、スパークしてしまうからなのです。
そこで
無意識のうちに、局部に集中してしまう性エネルギーを、意識的にカラダのほかの部分に流すようにすれば、射精は抑制される
※1 p92−93
というのが性エネルギーと早漏の関係です。
前々回の記事で早漏の方は優秀な性質を持っているとありましたが
早漏はその男性が持つ性エネルギーが強力であり、性エネルギーに敏感な証です。
※1 p90−91
では、そのような性質を持っていると、どんな素晴らしいことがあるのでしょう。
簡単にいうと
- 女性を官能に導きやすくなる
- 自分自身の快感のレベルもパワーアップする
と言えるでしょうか。
ただ、素晴らしい資質を持っている分、自律神経のコントロールだけでは、どうしても超えられない壁があります。
そこで次のステップとして、ペニス周辺に集中してしまう性エネルギーを、全身に流せるようにトレーニングしていきます。
実際のトレーニング方法は、この本の最も要の部分なので、動画の紹介だけにとどめておきます。さらに詳しく知りたい方は、本書をご覧ください。
トレーニングは時間をかけて取り組む必要がありますが、一度身につけたら一生ものの技術だと思います。
性エネルギーコントロールのためのトレーニング法
まずはこちらの動画をご覧ください。
これまでご紹介してきた性メカニズムの要点がまとめられています。
早漏の3大要因と対応策は
- 感じることを許さない脳→性感脳を育てる
- すぐにしゃしゃり出る交感神経→射精コントロール呼吸法
- 行き場を失った性エネルギ→相手に気を流す
次に、トレーニング方法についての動画。
アダムさんの動画コンテンツの中でも群を抜いて再生数の多い動画。
(2020/10/23現在59万回再生。同時期にアップされた動画は約6千〜5、6万回程度)
呼吸法、亀頭愛撫、性エネルギーのコントロールを取り入れてするマスターベーションの説明です。この方法ですると男性のマスターベーションが段違いに気持ちよくなる上に、快感に耐えられる脳が鍛えられ、早漏克服が期待できるそうです。
動画の中に「下腹部に溜まった性エネルギーを呼吸法を使って脳に引き上げていく」という表現がありますが、気功の中脈や小周天といった手法をセックスに応用したものになります。この辺りのことは、本の方が詳しく書かれています。
性エネルギーには循環と熱エネルギーという二つの性質が、あって、それを利用して性エネルギーのスパークを回避する方法が紹介されています。
- 循環→イメージしながら愛撫
- 熱エネルギー→おしっこしたりアイシングで冷やす
あと、動画では触れられていませんが、この性エネルギーをうまく使うことで、射精によって放出した性エネルギーを回収し、射精後の疲労を抑えることもできるそうですよ。
セックスの本質は気の交流
いかがでしたでしょうか。「愛」やら「性エネルギー」という言葉が出てきて、ちょっとイメージしていた内容と違ったかもしれません。しかし、2人のセックスをより深いものにするために欠かせないものなのです。
その説明として、いくつか引用してこの記事を締めくくりたいと思います。
あなたが本当にテクニシャンになるためのキーワードが、「気(性エネルギー)」です。
メンタルトレーニングは、今やスポーツの世界では当たり前のことです。実は、これまで誰も言及してこなかったことですが、セックスでもメンタルは、テクニック以上に重要な男性力の一つです。なぜか?女性は男性のテクニックそのものに官能するのではなく、「愛に官能する」からです。それが女性という生き物なのです。
気とは文字通り「気持ち」です。言葉では言い尽くせない愛情という気持ちを、女性に伝えてくれるのが性エネルギーです。そして、性エネルギーのコントロールこそ、セックスでもっとも重要なメンタルトレーニングなのです。
そして、コントロール能力を身につけた先に、どのような世界が待っているのでしょうか。
それは、あなたが、セックスでしか伝わらない愛を 、女性に伝えることができるようになるということです。
男性から愛されているという実感は、女性の官能を豊かに変えます。
※1 p232
性エネルギーのコントロールは、女性に愛を伝え、女性の感性を花開かせるテクニックなのですね。
愛すれば愛するほど、男性の腕の中で光輝く女性という大切な存在を、ぜひ実感してください。それは同時に、愛された女性が、男性とはなんて素晴らしい生命体なのかということを発見する瞬間でもあるのですから。
※2 p79
アダムさんは「セックスの本質は気の交流である(※1 p232)」とも表現されています。
トレーニングを通してそのことを実感できると、これまで経験したことのない素晴らしい時間が待っているのだと思います。
参考・引用文献
※1 アダム徳永. 「たった3分」からの大逆転: 男の「早い」は才能だった! . 講談社, 2010.
※2) アダム徳永. 実践イラスト版 スローセックス 完全マニュアル. 講談社, 2011.
こちらの記事もご参考に…
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