「幸せなセックスって何?」と探求してきた私がたどってきたプロセスを
「第一部:抑圧からの解放 」としてブログにまとめた後、現在は
「第二部:深遠なる性の探求」として、その後の探求を執筆しています。
先日、「第二部:深遠なる性の探求」で私が取り組んでいたことは
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「性エネルギー」とは何か
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その「正体」を突き詰めることと、「体感」をもって理解することだったんだ…!と突然気がついたので、なぜ「性エネルギーの正体」を知りたいと思ったか、の理由と、そんな私の元にやってきた二冊の本についてのお話をしようと思います。
「性エネルギーの正体」が知りたかった理由
きっかけは『医心方・房内篇』※1(以下、医心方)の現代語訳を読んだことがだったんです。この本は、日本最古の医学全書に含まれる性愛書なんですが、実際の中身は古代中国の房中術となっていて、
- 道理にかなった性交
- 陰陽五行思想に基づいた性の理論
- 具体的な実践法
などが書かれています。
この書物から読み解いたことはこちらの記事に書いたのですが、この記事を書いた時に、実は書こうかどうか迷って削除した部分があります。
それは、一般的には「房中術」とは、男女の交わりによって体内の気の調和をはかり、不老長生を得ようとする養生術、と言われているのですが、本当に単なる養生術なんだろうか、という疑問でした。
というのも、医心方を読んだ時、交接の「道」や「道理」というものがしつこいほど何度も登場していたからです。そこまでして繰り返し説くのは何故なんだろう、とひっかかりを感じたのです。
例えば
天地は交わり合う道を心得ているために終わることがない。人は交接の道を間違えるために次第に寿命を損失し、若死することがあるのだ。
※1 p9
男女の道を良く理解しておりますと、あらゆる楽しさを味わうことができるのです。でもこれをわきまえていない人は必ず短命となり、とうてい喜びや楽しみを味わうことなどできません。
※1 p8
それ[交接の道]をわきまえずに行なっているものは次第に衰え、からだを損なってしまいます。
※1 p20
というように、交接の道のあるべき姿と、それから外れることへの戒めが、たくさん書かれているのです。
先ほど、房中術は一般的には養生術と言われている、と書きましたが、実際、医心方には
(正しい交接法によって)男性は衰えることなく、女性はあらゆる病気を除くことができ、心も精神も楽しくくつろき、慰められ、気力も旺盛になります。
※1 p20
その真理をなおざりにする者は、中枢神経系統を損傷し、短命になる
※1 p28
といったことが書かれていて、そこだけ読むと確かに古代保健医学の一分野、と捉えることができます。
しかし、こういう書物自体が、当時の権力者や支配階級といった一部の人たちしか読むことが許されていなかったということ、さらには書物として文字化される前は、より限られた人の間で密やかに受け継がれてきたであろうことを考えると、不老長寿以外の重要な働きが隠されていたんじゃないか、と思うようになったのです。
それは言ってしまえば、性交を通じて男女が調和することは、何らかのパワーや権力と結びついているのでは、という予感でした。
ただ、そういった視点でこの本を注意深く読んでみたのですが、そこまでの内容は読み取ることができませんでした。
また、ここで説かれている道理は、「陰陽和合は万物生成の源である」という陰陽思想が土台にあるのですが、「万物」って何?と思ったりしていました。
(続きの記事はこちら)
sexual-bookmark.hatenablog.com