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〜レス妻の目覚めの記録〜

何千年と変わらない男女の性(サガ)『医心方・房内篇』その3

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と、古代中国から伝わる性愛の書、「医心方・房内篇※1」に書かれている交接の道についてみてきました。

 

交接の道とは、性交によって陰陽(男女)の気の調和をはかることであり、そのためには

  • 心の融合(リラックス)
  • 丁寧な前戯
  • 男性の心得(みだりに射精をせず精を脳や体にめぐらせる、還精補脳) 

が重要と繰り返し書かれていましたね。

 

ここで私が気づいたのは、実はこれ、アダム徳永さんが提唱されているスローセックスに、どれも当てはまることばかりではないか、ということだったのです。

 

 

スローセックスとの共通点

「幸せなセックスってどんなの?」とずっと求めてきた私にとって、アダムさんが提唱されているスローセックスは、一つの到達点と思えるものだったわけですが、著書には、次のように書かれています。

男性はセックスの本当の意義を知らずにいます。実はセックスの本質は、気による性エネルギーの交流にあるのです。

※2 p113

 

男性と女性は「陽」と「陰」の相対的な関係にあります。気のエネルギーも陽と陰の異なる性質の周波数を持っています。その男女が、陰陽の性的な交わりの中で気のエネルギーを交流させるのです。陰陽が交流することで気のエネルギーは増幅します。

※2 p114

 これはまさに、交接の道そのものですし、他にも

 

女性は官能(興奮)モードに至る前に、必ずリラックスモードを経由する。

※3 p57

これは、リラックスの重要性

 

さらに、アダムタッチをはじめとする、様々な女性の愛撫法(丁寧な前戯)はこちらでも紹介した通りです。

 

また、

”射精の放棄”から本当のセックスが始まる

※2 p61

とも書かれています。

 

「射精の放棄」は厳密に言うと、『医心方・房内篇』が、寿命や健康のために精を大切にするという考え方なのに対して、アダムさんは「射精=ゴール」という思い込みをやめることで、女性のゆったりとした変化に合わせることができたり、時間を忘れてお互いに快感を楽しむことができる、というもので、少し考え方が違います。

 

しかし、

  • 気を脳に上げるトレーニング法
  • 射精を回避するための性エネルギーコントロール
  • 性エネルギーを回収し射精後の疲労度を抑える法
なども紹介されており※4、これは還精補脳(補益)そのものといえるでしょう。

 

ちなみに、アダムさんの定義されている「性エネルギー」とは、『医心方・房内篇』で言うところの「気」や「精」と考えていいでしょう。

 
 
ここまでくると、多くの共通点があるというよりも、アダムさんのスローセックスは、実は、古代の房中術を、よりわかりやすく安全な形で現代に甦らせたものと言えるのかもしれません。
 
 
ただし、アダムさんは、決して古代の房中術を単に再現されたわけでなく、
 
  • 偶然生まれたアダムタッチ(>>YouTube
  • 早漏だったコンプレックスを試行錯誤を経て克服した経験(>>YouTubeや著書※4)
  • 1000人以上の女性とのセッションや体験レポートを通した研究(>>公式サイトや著書※2)

 

などを経て、その過程でおそらく古い時代の文献なども研究されながら、たどり着かれたのではないかと思います。

 

こういった性の奥義は、他にも発信されている方はいらっしゃると思います。

 

けれど、これらの情報をきちんと体系立てて、本やDVD、YouTubeなど様々な媒体を用い、何よりお顔を出して発信されている方は、アダム徳永さんだけなのではないでしょうか。

 

アダム徳永さんに関する記事はたくさん書いていますので、目次の第四章をご覧ください。

 

 

 

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現代人と変わらない男女の悩み

さらに私は、本書のいたるところに、現代人と変わらない古代の人々の姿を見つけました。

 

男性の悩み

 例えば、黄帝

  • 今、交接しようとしても玉茎が起たないと、相手に顔向けできないほど男としてはずかしく、珠のように汗が出る(p64−65)
  • 交接のとき女性が悦ばなかったり、その本体が動かず、愛液も出てこないで、玉茎も小さくて弱く勢いがないのは、何が原因でそうなるか(p69)
  • 何によって女性が快感を感じていることを知るのか(p90)
  • 交接したいとしきりに思っているのに勃起しないとき、それでもがんばってするべきだろうか(p104)

といった数々の問いかけや、

  • 「第二十七章 玉茎が小さい場合」…陰茎を大きくする、長くするための処方
 
などを見ると、これはそのまま、現代男性の気持ちや知りたいことに当てはまるのではいでしょうか。
 
 
また、
  • 高い位置から投げうつように乱暴に(交接)してはならない(p68)
  • 女性の容色に執着してこれを貪り、力の限り無理に射精すれば、あらゆる脈がすべて損傷し、さまざまな病気が併発するのでございます(p13)
  • 古人は、人が房中術を軽んじて性欲のおもむくままにすることを怖れている(p25)
 
は、本能の赴くままの行為への戒めであり
 
 
さらに
  • たがうことのないよう用心なさいますように(p63)
  • 帝よ、詳しく御研究された上で、決してお間違いないよう、これをなさいませ(p69)
  •  萎えしぼんで死還してはならない。必ず生還しなければならない。死還するような場合は、男性の健康をたいそう害する。特にこの点はよく慎むべきである(p79)

  • 道は遠い所に求めるな(こんなに近いところにあるのだから)。ただ、それを俗人は気づくことができないだけである (p45)
 
と、交接の道から外れないよう繰り返し念押しをしています。
 
 
 

女性の悩み

また、女性への心得の

  • 男性と交接するときは、必ずリラックスして思考を安定させること(p50)
  • 嫉妬で居ても立ってもいられぬ怒りと憂いを抱けば、精液がひとりでに流れ出してしまい、痩せ衰え急にふけこんでしまう(p51)
  • しっかりと感情をコントロールして、そのような気持ちを慎むべきである(p51)
 
  • 「第二十八章 玉門が大きい場合」…婦人の玉門がゆるくて冷えるのを治療して、せまく小さくし、交接するとき快感があるようにする処方
 
などをみると、現代の女性と変わらぬ当時の女性の悩みが見えてきます。
 
 
 

女性の損傷

さらに、

  • 「第二十九章 破瓜(はか:初体験)痛の治療法」
  • 「第三十章 成人女性の損傷の治療法」

には、交接によって傷ついたり痛みが出た女性の治療法が掲載されているのですが、

 

  • 初めての性交で傷つけられて痛み、何日たっても痛む場合の治療法(p379)

  • 交接による女性の出血の治療法(p386)

  • 女性が夫の性交過多のために損傷され、陰腫となって疼痛する場合の処方(p382)
  • 男性によって傷つけられ、そのために身体が沈重(ちんじゅう:沈みこむように重いこと)したり、虚吸(きょきゅう:呼吸の吸気が乏しくなること)、頭痛する場合の治療法(p384)
  • 玉茎でない他の物によって傷つけられて血が流れ、止まらない場合の処方(p376)

 

などを見ると、男性の荒々しい扱いによって、傷ついた女性の姿が浮き彫りになってきます。

 

 

男女がたどってきた分断の道のりに思いを馳せる

『医心方・房内篇』は、細かく見ていくと、現代的な観点からは取り入れるべきでないこともありますが、男女がどのように交わるべきか、たくさんの示唆に富む内容でした。
 
このような指南書が何千年も前から存在していたにも関わらず、一部の特権階級の人しか読むことが許されず、多くの人が知らないまま過ごしてきました。
 
交接の道を知らなければ(おそらく例え知っていたとしても)、男性が陥ってしまう過ちは、遥か昔も現在も変わらず、多くの女性が傷つき続けてきたことを改めて感じました。
 
アダム徳永さんのメルマガや、著書の『男は女を知らない※2』にあふれる女性たちの心の叫びが思い出され、さらに、脈々と人知れず受け継がれてきた女たちの傷と共鳴し合い、様々な悲しみや痛みが私の肉体と一体化しそうになりました。
 
 
でも前回の記事に書いたように、実は男性もまた、ジャンクセックスによって女性から恵みを受け取れず、損傷を受けていたのです。
男性は男性で、エネルギーの枯渇を、欲望とつながることで補い、終わりのない闘いの中に放り込まれて、苦しんでいたのではないか。
 
 
・・・
 
 
男女の分断は、一体何千年と続いてきたのだろう…
 
そう思わずにはいられませんでした。 
 
 
もうこの分断を終わらせたい
どうすれば終わらせることができるのか…
 
という思いを一層強くしました。
 
 
と同時に、
どうして男性にはこうも女性の声が届かないのか、不思議で仕方なく
 
 
また、気の遠くなるような時間の流れを感じながら
 
もし、生まれ変わりというものがあるのなら、過去生で私は男性だったかもしれないし、現在の男性は女性だったかもしれない。
どちらかが悪いと敵を作ることは、自分の中に敵を作ることになり、自分自身が分断されてしまうのではないか。
 
誰かを、何かを、常にジャッジし、時には糾弾するということを、私たちは無意識のうちにしているけれど、それは私たちの心からの望みなのだろうか。
 
 
この世界を見つめる視点が自分の肉体から抜け出し、まるで時空を行ったり来たりしているような感覚に襲われ、やがて、とても高い位置から俯瞰するような意識にシフトしていきました(高い低いは状態であって優劣ではありません)
 
そして今度は、宇宙のしくみや人間という存在に関する情報に出会ったのです。

 

(続きの記事はこちら)

  
(その後、私の元にやってきた、二冊の本)
 

引用・参考文献
※1)丹波 康頼. 医心方. 槇 佐知子訳. 筑摩書房, 2004, (房内篇, 28).
※2)アダム徳永. 男は女を知らない. 講談社, 2017.
※3)アダム徳永. 実践イラスト版 スローセックス 完全マニュアル. 講談社, 2011.
※4)アダム徳永. 「たった3分」からの大逆転: 男の「早い」は才能だった! . 講談社, 2010.